昼の時間帯に職員を手厚く配置したことで保育以外の事務業務も定時内に完了
- 幼稚園型認定こども園かしま幼稚園さん
- いわき市
- 私立/ 認定こども園
- 学校法人 新妻学園
【所在地】いわき市鹿島町走熊字渡折19-1
【職員数】50名
【利用定員数】189名
【URL】https://kashimayoutien.com/
余裕のある人員配置で保育以外の事務業務時間を確保
昭和55年に創立し、平成30年に幼稚園型認定こども園に移行したかしま幼稚園。現在保育教諭40名が在籍し、そのうち正職員は15名です。子育て中の職員も多く早番や遅番での勤務が難しい場合もあり、そういった問題をフォローするために、パート職員を多く採用しています。「昼の時間帯にパート職員を余裕をもって配置することで、急な休みへの対応や、正職員が保育以外の仕事の時間を確保することができます」と園長の新妻英昭さん。経験豊富なパート職員なら安心して任せることができ、その間に残業や持ち帰りで行っていた仕事をできるようになったので、定時で帰る職員が増えたと話します。
理事長・園長
新妻 英昭(にいつま ひであき)さん
「職員同士が“お互いさま”という思いで支え合っています。安心して休めることは、意欲をもって働いてもらうためにも不可欠です」と新妻園長
働き方が選べるので、子育てとの両立も安心
同園では、職員が安心して子育てできることは、よりよい保育にもつながるという考えのもと、負担が少ない働き方ができるよう配慮をしています。2人の子どもを保育園に預けながら正職員として働く田久結衣(たきゅうゆい)さんは、育休からの復帰1年目は早番・遅番なしの時短勤務からスタートし、2年目以降は週1日の通常シフト勤務を始めました。「子育て中の職員が多いので、妊娠中から重いものをもってくれたり、優しく声かけをしたりしてくれたので、居心地良く働くことができました。家族や先生方のサポートがあるから、自分のペースで働くことができます」と話します。子どもの病気で休んだ時には、園長に「先生の代わりはいるけど、お母さんの代わりはいないから」と言われたことで、ほかの職員に負担を掛けているという気持ちが軽くなったそうです。
育休中に園に顔を出した際も温かく迎えてくれ、早く戻りたいという気持ちが強かったと田久さん。しっかり休めたことで、新しい教材や手遊びの準備をするなど保育の引き出しを増やすことができ、復帰後の仕事に生かせていると話します。母親になって、今まで気づかなかったような視点から子どもに寄り添うことができるようになったとのこと。子どもたちが出会う初めての先生になれることが、この仕事の魅力と話していました。
「現在妊娠中の職員がいるので、“今度は自分がお返しする番”という気持ちで接しています」と田久さん
情報を共有することで、同じ方向性での保育を
異なる働き方をする職員が増えると、情報の共有や意思の疎通を図ることが難しくなるという課題も出てきます。「正職員もパート職員も、同じ保育方針でいないといけないので、意識的に時間を取り、1日の中で5分でも一緒に振り返りをすることでコミュニケーションを図るよう伝えています」と新妻さん。外部の研修に参加した正職員がその内容をパート職員にもフィードバックすることで、職員の質の向上に努めています。
単に子どもを預かるのではなく、子どもとどう向き合うか、どう話を聞くかといった視点が大事と新妻さん。子育て中で復職に迷っている人に対しては、「自分が子どもを持つとものの見方や考え方も変わるので、創造力と子育てで得たスキルを保育の現場に生かしてほしい」とエールを送ってくれました。
常にコミュニケーションを図ることで、子どもたちへの接し方にもブレがなくなった
令和6年11月発行