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“余裕のある保育ができる環境” が笑顔あふれる園を作る

  • スプーン保育園さん
  • 福島市
  • 私立/ 保育所
  • 社会福祉法人おやま福祉会

【所在地】福島市御山字下川原1-1

【職員数】24人

【利用定員数】60名

【URL】https://oyamafukushikai.com/

“保育士を続けられない理由” を何とかしたい

地域にもう少し大きい保育園が必要だと感じ、それまで運営していた地域型保育事業所に加え、4年前にスプーン保育園を立ち上げたという、園長の幕田さん。立ち上げの際には、これまで自分も保育士として感じていた“保育士の働きにくさ” を何とかできないかと考えました。

業務を進めていく中で、保育士という仕事から離れる方のほとんどが、働きがいを感じながらも、残業や持ち帰りの仕事が多く、プライベートとの両立が難しくなった方、業務の忙しさからコミュニケーションがうまくいかなくなった方であると気づきました。そこで、プライベートとの両立や業務負担軽減に配慮したいと、相談役として別の園の園長に入ってもらい、意見を取り入れながら就業規則を作成しました。就業規則では育児・看護・介護休暇はもちろん、アニバーサリー休暇やボランティア休暇など、どの世代の職員も使いやすい特別休暇制度を設けました。また、職員会議なども午睡の時間を利用しており、ゼロではありませんが、残業をほとんどしないように配慮しています。

 

子どもらしい「笑顔」いっぱいの保育園を理念に、自然を通した体験型保育を取り入れています

 

園長:幕田 晋市さん

職員が、友人に“一緒にここで働こう” と紹介したくなるような保育園を目指しています。

 

様々なツールによる効率化とコミュニケーションの促進で働きやすい環境へ

業務効率化のために導入するICTについては、いくつかのシステムを試し、登降園管理や子どもの成長記録、職員の勤怠も管理できるシステムに決定しました。

また、各教室やホールにはカメラを設置しています。カメラでのモニタリングにあたっては、映像があることで子どもたちと先生たちを守ることになるということを説明しています。映像での記録は事故の状況確認や保護者への説明、ヒヤリハットの対策に活用しており、新型コロナ感染症の対応においては、濃厚接触の追跡に非常に役立ちました。

さらに、保育指導案や年間指導計画をはじめとした様々な書類については、福島市が業務効率化の一環として提供している共通様式を採用しています。これにより、新たな書式を一から作ることなく、運営に必要な書類を無駄なく作成することができます。

加えて、風通しの良い職場風土のために、幕田さん自ら1日に一回は必ず職員一人ひとりに声を掛け、積極的にコミュニケーションを取るよう心がけています。休憩をきちんと取り、オンとオフの切り替えをしやすい環境を作るなど、働きやすい環境の整備を進めてきました。

 

各教室に1台設置したパソコンで空いた時間に事務作業ができます。

 

事故発生時の職員の行動と時間が記録されるので、きちんと対応にあたったかどうかの証にもなります。

 

保育士が活躍し、地域全体が子育てしやすい環境となるために

 

園の考える「働きやすい環境」とは「余裕のある保育ができる環境」。そのための時間をまず確保することで、笑顔があふれる保育園ができる。この信念のもと、開園以来「仕事とプライベートの両立が難しい」「人間関係がうまくいかない」などの理由で退職した職員はゼロというスプーン保育園。園の運営を軌道に乗せるまでに時間と費用は要したものの、職員が定着し人材配置に余裕があるおかげで、定員を超えて子どもたちを受入れることができています。

さらに、福島市が実施する様々な検討委員会やイベントにも積極的に参加している幕田さん。これからの目標を伺うと「保育士の社会的地位を上げて、福島市の保育をバックアップしていきたいです」と話してくれました。いきいきと活躍する保育士が、地域の子育てを豊かにしていくという好循環を目指した運営に取り組んでいます。

 

20代~50代の職員がおり、世代間のギャップはあるものの、コミュニケーションを積極的に取り合う環境のおかげで、チームワークを発揮しています。

 

地域の方と協力して、園庭の一部を使い、さつま芋の苗植えをする園児。地域とのつながりも大切にしています。

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