こども子育ち応援センターの運営がやりがいの創出へ。相談しやすい環境で子どもたちを応援する
- 川谷保育園さん
- 西郷村
- 私立/ 保育所
- 社会福祉法人 川谷福祉会
【所在地】西白河郡西郷村真船芝原16-15
【職員数】27名
【利用定員数】100名
卒園した子をいつまでも応援しようと、こども子育ち応援センターを立ち上げる
社会福祉法人川谷福祉会は保育園と隣接する形で、こども子育ち応援センター(以下、センター)を2008年から運営しています。対象は家庭で過ごしている親子、放課後の小学生、次世代を担う中学生・高校生です。事業内容は放課後児童が安心して過ごせる場を提供する『キッズカルチャー』、若い世代が交流し、乳幼児とふれあう『サマースクール』、地域の高齢者と乳幼児がふれあい、地域とのつながりを深める『グランマーパクラブ』、家庭で子育てをしている親子の出会いと交流の場所『ハローキッズサークル』などです。センターを立ち上げたきっかけを加藤さんに伺うと、「当園を卒園した子どもたちを、卒園後も目に見える形で応援したいという祈りの中から生まれました」とのこと。運営は主に加藤センター長、川谷保育園の江戸副園長、児童厚生員の2人が行い、当日のプログラムを考案し、実施しています。
こども子育ち応援センター長
加藤 恵(かとう めぐみ)さん
「卒園した子とはどうしてもその後かかわることが少なくなってしまいます。いつまでも応援したいという気持ちを形にしたのがセンターです」と加藤センター長。
卒園した子が集まる青年の集まり。内容はギターの弾き語りや子どもたちのステージ発表など。コロナ前はキャンプやBBQをしていました。
センターを運営することでさらにやりがいのある保育が可能に
センターを運営することで生まれたメリットは、センターを利用する小学生、中高生と保育士が関わることで、保育士が今関わっている園児たちのその後の育ちを見通し、期待を持って保育に向きあえるということです。このメリットでやりがいが生まれ、より良い保育につながり、卒園した子が『自分もあの先生のような保育士になりたい』と保育士を目指し、資格をとって、実際に川谷保育園に入職して働くというケースもあるのだとか。
園長の松本さんは「保護者と共に子どもたちの育ちに寄り添い、共に学び成長を喜びあっています。また、卒園した子どもたちがセンターを利用してくれることで、保護者との関係も継続しています。保護者と学校生活での活躍などを喜びあえることも職員の励みになります」と話します。
保育園での打ち合わせ。職員間のフォローやプログラムの確認などを行います。
保育士の働きをサポートすることが、より良い環境づくりへつながる
川谷福祉会には子育て中の保育士が多く在籍しており、働きやすい環境をつくる努力をしています。「大事にしているのは職員同士で声を掛け合い、相談しやすい雰囲気をつくることです。さらにこの努力は、別の効果ももたらしています。当園では、長時間保育園で生活する子どもたちが安心して過ごせるよう環境を整えつつ、保護者にも安心して預けてもらおうと、園での子どもの姿を丁寧に伝えています。その際に、相談しやすい雰囲気をつくると、職員間で情報共有がしやすくなり、子どもたちにとってより良い環境づくりにつながります」と松本さんは話します。今後の課題を伺うと「働きやすいと感じるかどうかは一人ひとり違うので、定期的に面談や話し合いを行い、意見や要望を聞きながらさらに改善していきたいです」とのことでした。
左から副園長の江戸清(えどきよし)さん、園長の松本信子(まつもとのぶこ)さん、主任保育士の鈴木恵美(すずきえみ)さん。「保育園とセンターの役職者が兼務し、連携を図ることで充実した保育と支援につながります」と松本さん。
卒園した子がいつでも園児とふれあうことができ、保育の新しい形が生まれています。