保育とは違った目線で子どもと関わることが職員の成長にもつながっている
- ほしのこ保育園さん
- 郡山市
- 私立/ 保育所
- 公益財団法人 星総合病院
【所在地】 郡山市向河原町159-1
【職員数】 25名(保育補助・看護師含む)
【利用定員数】110名
【URL】https://www.hoshipital.jp/kodomo/hoshinoko.html
医療機関で働く多様な職種との連携を実現
郡山市内で約100年にわたり地域医療を支えている星総合病院。医療・福祉分野と並びこども事業部を有しているのが特徴で、郡山市、三春町、田村市で5カ所の保育園を運営し、「育てる保育」を推進しています。星総合病院と同じ敷地内にあるほしのこ保育園は、平成27年12月に認可を受けた事業所内認可保育園で、利用定員のうち8割が職員枠、2割が地域枠として子どもたちを受け入れています。
平成25年に病院が現在の場所に移転した際、「せっかく職員の子どもを預かる保育園を作るのだから、さまざまな専門職に関わってもらえる園にしたい」という理事長の強い想いで多職種連携を実現しました。
その一つとして言語聴覚士が定期的に園を訪問し、子どもとの関わり方に悩む保育士にアドバイスをしたり、必要があれば専門の窓口につないだりすることも行っています。「保育士だけでは気づくことのできない視点から見てもらえるので、心強く感じているようです」と園長の渡邊麻里さん。ほかにも、水泳の指導員資格を持つ理学療法士が、リハビリ用プールを使って希望する子どもに水泳教室を行っています。「指導する職員が園の友だちの保護者ということもあり、楽しく通うことができます」と西間木さん。職員も自分や同僚の子どもがいると思うと、より熱心に関わってくれると話します。
法人こども事業部 西間木 江梨(にしまきえり)さん (写真左)
園長 渡邊 麻里(わたなべまり)さん (写真右)
「医療機関が運営する保育園というメリットを活かして、病院で働く専門的有資格者と連携できるのも特徴です」と西間木さんと渡邊さん
常に情報を共有することで連携もスムーズに
栄養科と連携した食育活動も定期的に行われており、取材日には3歳児クラスの子どもたちが野菜を洗ったり、皮むきや型抜きをしたりとカレー作りに挑戦。自分で作った料理はいつもとひと味違っているようで、おかわりする子もいました。
参加していた管理栄養士の渡邉千陽(ちあき)さんと調理師の高橋義樹(よしき)さんは、「2歳児クラスで初めておにぎり作りを行った時には、この年齢だとどんなことに興味があるのかと、保育士と一緒に考えながら内容を決めていきました」と連携することのメリットを教えてくれました。
渡邊園長も、「今では病院のどの部署も子どもに関わることが当たり前になりました。連携するための話し合いや調整は大変ですが、その分達成感が大きく、ほかではできない経験です」と言い、同じ法人の職員同士であるからこそ、意見を言いやすい環境も強みと話していました。
「私たちにも同じ年頃の子どもがいるので、園での子どもたちの反応を自身の子育てに生かしています」と、渡邉さん(写真右)と高橋さん(写真左)
『全員が保育園職員』という意識で取り組む
令和7年4月には、旧星総合病院跡地にできる複合施設内に新たな園が開園します。レストランやリハビリ施設、フィットネスジム、健診センターのほか、ものづくり工房や住居スペースもあり、これら全体と連携を取ることで、“生きる力” のある子どもを育てていきたいと話す西間木さん。渡邊園長も「ここで働く職員は“全員が保育園職員” という意識で取り組み、さらにブラッシュアップさせた園にしたい」と力を込めます。
「当法人は福利厚生がしっかりしています。その人の生活に合わせた多様な働き方に対応できます」と西間木さん。自分に合った働き方を見つけられるよう、まずは相談するのがオススメと話していました。
令和6年11月発行